ライブのために自由を貫く男

guitar

 

 

 

先日、私のパートナーの知人がアコースティックライブをするというので2人で会いに行きました。

 

彼はわざわざ東京から九州に来て馴染のライブハウスを数か所回りながらライブを行っているそうで、九州は2度目。

 

九州以外にも大阪や名古屋、東京と各地で小規模に開催しているそうです。

 

そのツアーの主催者でもある彼は、年齢は私と変わらないか年上の40代半ばくらいです。

 

元々バンドをしながらソロでも活動していて、きっかけがあればいつでもどこでも、色々な人も交えて企画するくらいライブが好きなので、ライブ中心の生活をしているそうです。

 

しかし見に来るお客さんは各地域の知人が殆どなので10名にも満たない事もあるような感じで本当に小規模でお客さんと近い感じの、人情味あふれる雰囲気でライブをされていました。

 

その地域で音楽活動をしている人とコラボしたり、なにか感じることがあれば即興で曲を作って披露したりと、凄く楽しそうなのです。

 

 

 

どうしても分からなかった事

 

 

 

そんな彼を見ていて私が凄く気になることがありました。

 

 

それは『どうやって生活しているのだろうか』という事でした。

 

 

沢山お客さんが入る規模ではないし、バーやライブハウスを借りるのにも多少はお金がかかります。

 

なんといっても東京からの移動費や宿泊費などを考えたら、絶対に生計が立たないのではないかと思うのです。

 

しかも、飲み事が好きでほとんど毎日朝まで飲んでいるそうで、今回のような遠方でのライブではホテルは予約せず朝まで居酒屋などで過ごすのだそうです。

 

いつでもライブが出来るようもちろん就職などはしていない。

 

どうやって生活しているのかと聞いてみると、ライブでは多少でも利益が出るようチケットやギャラの設定などライブハウスとはきちんと交渉し、TシャツやCDなども販売。

 

足りない分は空いた時間にバイトをして生計を立てているそうです。

 

あくまで本業はライブというスタンスを貫いていて、まさに昭和の汗臭いミュージシャンと言った感じでしょうか。

 

 

それを聞いて私は単純に、不安じゃないのかなと思いました。

 

10代や20代でまだまだこれからという年代であれば、そんな生活を経験するのも良いとは思いますが、私とさほど変わらない世代です。

 

一般人が益々生きにくくなるだろうこれからの時代に、私とさほど変わらない世代の男性が、これからもずっとそんな生活をしていくつもりなのだろうかと。

 

そんな思いで彼の事を見ていました。

 

 

 

彼は既に彼が欲しい自由を手にしていた

 

 

 

けれど、彼は歌えなくなるまでライブを続けていくと決めていました。

 

人とのつながりをとても大事にして、好きなライブが出来る事を素直に喜んでいるし、感謝しているのです。

 

そんな中、彼がこんな事を言って次に歌う曲の紹介をしました。

 

 

「今は好きな事をやらせてもらって感謝しているけど、一時は音楽を辞めていく仲間達を見ていて、その人たちが自分より上に見えていたことがあった。何ということはないけど、そんな心境の時に書いた歌です。」

 

 

それを聞いた時、あぁ、この人は人生を生きたいように生きてきているんだなぁ。

 

だから感謝もできるし、幸せなんだなぁと思いました。

 

 

彼が上に見えたと言っていたのは、安定に走った人達の事です。

 

けれど、それは単なる隣の芝は青く見える妄想ですよね。

 

蓋を開けてみれば、小さな折の中で小さくまとまり、そんな自分に嫌気がさして不安ばかりのかつての私と同じ人達の事です。

 

私も「人生このままでいいのか?」と常々思っていたのです。

 

自由もなく、たいした収入もなく、情熱を向けられる事もない人生。

 

ぬるま湯に浸かった何の展望もない人生。

 

今さにして「これだ!」と思えるものに出会えるきっかけをいつも探していながら、小さな安定にしがみつき身動きが取れないでいたのです。

 

 

昔何かしらの楽器や音楽に携わっていた人は、一度は音楽を本業にできたらと考えた人は多いはずです。

 

だけど安定と引き換えに大半の人はその夢を諦めてしまいます。

 

そうでなくても彼のように堂々と好きな事を貫く生き方には、どこか憧れを抱いてしまうものです。

 

 

そう考えたら、当時の私より精神的には彼の方が何倍も満たされていると思いました。

 

 

私は『何にも縛られない自由』を手に入れたくて長い間もがいていたけれど、彼は『いつでもライブが出来る自由な暮らし』をしたくて、それを実践している人なのです。

 

それをするための多少の不自由さは、彼にとっては不自由ではないのかもしれません。

 

だから彼のライブはとっても熱くて心揺さぶられるものがありました。

 

彼を見ていて、話を聞いて、人にはどんな自由も選べる権利があるのだという事を知れたような気がしました。

 

 

私は彼がかつて上だと勘違いして見ていたようなぬるま湯の世界にいたからこそ、場所や時間、人間関係、経済に縛られず解放されたいという強い思いが芽生ました。

 

 

そして今はそれを得ることを最優先に、情熱を注いでいます。

 

 

 

あなたはどんな自由を手にしたいでしょうか?